今年はいつまでたっても蒸し暑いですね．
こんなに蒸し暑い日が続くと胃腸が弱り消化能力が低下するでしょう．
消化が上手く行かないと栄養の吸収も悪くなって，血が弱ってきます．
血が弱った状態を東洋医学では「血虚」といいます．
話は変わりますが，産後には色々と疲労の症状が出てくることが，多くあります．
なぜ，産後の疲労は治りにくいのでしょうか？
妊娠中は赤ちゃんに栄養を取られるので，血が弱り血虚になり易いです．
血虚になると「血室」と呼ばれるくらい血と関係の深い肝の働きが弱ります．
その肝が弱ると疲労の回復が悪く産後にまで影響が出ます．
東洋医学の原典である傷寒雑病論には次のような文章があります．
その意味は「千金内補当帰薬治婦人産後虚ロウ不足腹中刺痛不止吸吸少気或苦少腹拘急痛引腰背不能食飲産後1月日得服四五剤為善令人強壮」
その意味は「千金の内を補う当帰薬は婦人が産後に疲れきって気の不足を生じ，腹中が刺されるように痛んでとまらず，力のないため息をしているとか，下腹部がひきつれて痛み，その痛みが腰や背中のほうにまでおよんできて，食べたり飲んだりすることが出来ないものを治す．産後1ヶ月，1日に4，5剤服用するのが良い．そうすると丈夫になる．」となります．
あまり知られていないのですが，産後のトラブルから起こってくる病はかなり多くあります．
例えば，自律神経失調症，生理不順，子宮筋腫，子宮内膜症，カンジダ症，膀胱炎，うつ病，更年期症状など色々あります．
妊娠する前と出産した後の体質が大きく変わったとかんじておられる女性は意外に多いと思います．
出産して元気になる方もありますが，出産してから風邪を引きやすくなったとか疲れやすくなり体力が著しくおちたというかたはたくさんおられるのではないでしょうか．
なんとなく思い当たるかたは一度産後病の可能性を考慮される必要があると思います．
