最近、患者さんから「葉酸をとると奇形児発生率が下がるか?」
というご質問を受けますので考えてみたいと思います。
ビタミンB群の一つで、貧血に効果のあるビタミンとして知られています。
葉酸と言う名前は野菜などの植物の緑葉中に多く含まれる事から「葉酸」と名づけられました。
腸内細菌(乳酸菌等)によって合成される為、普通の食生活では、不足することは少ないと考えられます。
葉酸の体内での働きとして大切な物は赤血球を作るのに必要と言うことです。
また、「核酸(DNA、RNA)」の合成に関わっており、これらを作るのに重要な役割を果たします。
他にも
○タンパク質の代謝を助ける。
○糖とアミノ酸を使うのに必要。
○胃腸や口の粘膜を保護する働きがある。
○母乳の出を良くする。
○より健康的な皮膚にする。
○発育不全で出産するのを防ぐのに役立つ。
などがあげられます。
葉酸が欠乏すると赤血球が減って貧血症を招いたり、
胃腸や口の中の粘膜が弱ったりすることが起こります。
主な症状は以下の通り、
○巨大赤芽球性貧血
○胃腸障害
○胃腸や口の粘膜の弱化
○下痢や胃腸炎
○口内炎
ただし、日本では葉酸の欠乏症はまれで、
野菜をはじめ食品中に広く分布していることから通常の食生活では、
葉酸の不足を心配する必要は少ないと言えます。
葉酸は酵母を筆頭に、豆類、米胚芽、クルミ、きな粉、濃緑色野菜、
人参、カボチャ、アボガドなどの植物性の物に多く含まれています。
動物性の物では、レバーが多く含んでいます。
以上のとおりで奇形を防ぐ力があるということについては私には理解できません。
確かに妊婦さんには葉酸が大目に必要ですが
植物性のおかずを取れば不足することはあまりないでしょう。
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