前回の続きになります。
月経と風邪の関係について傷寒雑病論には次のような条文がございます。
「婦人傷寒発熱経水適来昼日明了暮則譫語如見鬼状者此為熱入血室無犯胃気及上二焦必自癒傷寒五六日発熱微悪寒肢節煩疼微嘔心下支結外証未去者柴胡桂枝湯主之」とあります。
その意味は「女性が寒におかされて発熱しているときに月経がちょうど来て昼間は意識がはっきりしているが、夕方になるとうわごとをいうようになり、その様子が死人と話しているように見える人は、熱が血室に入った。下しをかけたり、発汗したり吐かせたりするような治療をしなければ、必ず自然に治る。
傷寒にかかって六七日になって殻発熱して、手足の節々が痛んで苦しく少しく吐き気があって、みぞおちのところが突っ張ったように硬くなって、傷寒の外証(頭痛、発熱、悪寒)が取れないものは柴胡桂枝湯が主治します。」ということです。分かりやすくいうとこれは半表半裏には入った熱が血室つまり子宮入ったということです。
月経で子宮が血虚になっているところに風邪の芯熱は入っていろいろな病症を現すことは良くあることです。この子宮に入った芯熱がどんどんたまっていくと生理不順、不妊症、子宮筋腫、うつ病などを起こす原因になることがあります。くれぐれも月経中は風邪を引いたら早めに休養して速やかに治されることをお勧めします。産後の無理を重ねて後々いろいろトラブルをかかえている方も多いのですが、月経中の無理が重なってトラブルをかかえることも多いと思います。
したがって、月経中は血虚になるので、いらいらしたり、昼間眠くなったり、だるくなったり、ボーとして判断力が鈍ったり、めまいや立ちくらみなど普段と違った体調になっているということです。
血虚に時はチョコレートやもち米の製品(せんべい、あられ、もち、おこわなど)、小豆製品(ぜんざい、饅頭、ようかんなど)がなぜか急に欲しくなります。
これはこれらの食品が血虚を回復させる力があるので、本能的に要求するのでしょう。
これらのものを月経中に少し食べるというのも身体を助けることになるでしょう。
漢方薬でも血虚を治し、月経中の不快感をなくすことの出来るすばらしい力があります。