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健康コラム

咳について

今年は咳が治りにくい 2005.08.19

今年は金運不及の年と言い,肺と大腸が弱りやすい年です.
そのため,咳がなかなか治りにくく,風邪が治ってもいつまでも咳をしている方が身近におられませんか?
漢方の原典である傷寒雑病論には次のような文章があります.
「太陽病重発汗而復下之不大便五六日舌上燥而渇日哺所小有潮熱従心下至少腹硬満而痛不可近者大陥胸湯主之」とあります.
この意味は「太陽病を病んでいる人に何度も発汗したが治らないので,その上に下剤を使用したところ便通がつかなくなって,五六日たって舌が乾いて苦しくなりその上,咽も渇いて,夕方になると軽く潮が満ちるように発熱してきて,みぞおちから下腹部まで硬く張って痛み,近づけないほどひどいものは大陥胸湯が良いでしょう.」ということです.
この文章は,発汗して,汗のために皮膚が冷えているのに間違って下剤を使用してしまったので,体の表裏から熱を挟み撃ちにしたことになり,肺に芯熱がこもってしまった状態を説明しています.
最初に述べたように,今年は咳が治りにくいという相談をよく受けます.ただでさえ,肺が弱りやすく,肺に芯熱がこもりやすいのに,傷寒雑病論の例で示したように,間違った漢方薬を使用してしまうと,余計に治りにくくなります.また,このように芯熱がこもった咳は新薬ではなかなか効かないようです.
これを東洋医学では“誤治”と言います.
東洋医学の正しい方法は,その漢方薬が持っているすべてが患者に合うかどうかを考えて投与するので,医療者が間違って使わない限りは悪い作用はありません.
そして,たとえ間違って使っても,医療者が東洋医学をよく理解していれば,間違ったことを発見し直ぐに中断すれば,元に戻すことが出来ます.元に戻すにはどうすれば良いかという内容まで,漢方薬の原点には記載されています.
また,この文章から,治りにくい咳の場合は,肺に芯熱がこもったのではないか?と考える必要性を示しています.この場合は,“大陥胸湯”を使用しないさいということです.大事な点は,治りにくい場合は,すべて“大陥胸湯”が効くわけではない事に注意してください.

私は,このようなすばらしい古の知恵の塊である漢方薬のすばらしさを,一人でも多くの人に知ってもらえればと願い努力をしています.

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