読者の皆様はお元気ですか。風邪が流行っておりますが、いかがお過ごしですか。
10月に入ってから、急に気温が冷えてきましたので、体が冷えている人が多くなりました。
最近、流行っている症状に対する対処法を述べてみたいと思います。
まず、大腸が冷えてくると下痢したり、腹痛に襲われたり、腹にガスがたまったりします。こんなときは紫蘇の葉を生姜と共に煎じて飲んだり、鶏の皮付き肉をスープにして生姜を少し入れて飲むと大腸が温まり改善するでしょう。もしも、これで治らないときは他に原因があることもありますのでご相談ください。
次に、胸が痛い、吐き気がする、動悸がする、肩や脇が痛い、心臓の裏に当たる背中が痛いなどの症状がある場合、心臓が冷えている可能性があります。このような場合には、冷たいものや果物や生ものは極力避けて生姜と蜂蜜(または黒砂糖)で生姜湯を作りお飲みください。それでもすっきりしない場合はご相談ください。
さらに、風邪を引いて咳だけ残り、こもったような咳、痰が絡んだような咳、血痰、舌に白い苔が付く、のどの痛み、声がすれなどがある場合は皮膚表面が冷えて肺に芯熱がこもった可能性があります。このような時は、お風呂にゆっくり浸かって汗をジワッとかくと楽になるでしょう。このようにしても治らない場合は、皮膚表面がたいへん冷えていると考えられるので、ご相談の上でお体に合った漢方薬をお飲みください。早めにご相談いただければ、それだけ回復が早いです。
私がご指導した患者さんの中に、数十年咳が続き血痰がなかなか治らないというケースがございました。漢方薬を二年以上服用していただいたので、今ではすっきり治られました。これはかなり特殊なケースで、だいたいは数日から数週間で治っております。イギリスやオーストラリアの患者さんにお聞きしたのですが、空気が乾燥した国では喘息が多いようです。症状をお聞きしていると肺に芯熱がこもっているようですね。日本でも空気が乾燥する秋から冬にかけて、肺に芯熱がこもった咳が増えると思います。
気になる症状がなかなか治らないようであれば、早めにご相談ください。