朝晩が涼しくなり,秋の気配が感じられる今日この頃ですが,皆様はいかがおすごしでしょうか?
気温が下がって来ると関節の痛みが,気になり出しますね.
今回は膝痛に関して考えてみたいと思います.
膝の痛む方が増えていますが,原因はどこに有るのでしょう?
私が考えるに,膝が痛むのは,関節が原因ではなく,膝の関節を取り囲む筋肉の問題と思います.
関節を取り囲む筋肉のバランスが悪くなり,関節に無用な力がかかり,関節の骨や関節の軟骨に異常をもたらすのではないでしょうか?
筋肉のバランスを悪くする原因として東洋医学的には,「冷え」とか「芯熱」とか「風水」などがあると考えます.
このように考えると理解しやすいと思います.筋肉が冷えて縮んだり,風水の影響などにより筋肉がむくみ,その結果,膝を取り巻く状況が変化して,それが膝の痛みにつながるのでしょう.
さて,上に書いた「風水」とは何でしょうか?
傷寒雑病論に次のような文章があります.
「気強則為水難以俛仰風気相撃身体洪腫汗出乃癒悪風則虚此為風水…」この意味は,「気が風より強いと,水気病となり,そのためにこごむこともあおぐ事も出来なくなってしまう.風と気が相争った時には,身体がひどくむくむ,この場合には発汗をさせれば癒えるが,悪風が有る場合には,表が虚しているので,此れを風水とするのである.」ということです.
つまり“風”と“気”が争って治らず,悪風が有るものが「風水」であると考えられます.
その風水の病で,「脈が浮いて病が表に在り,病人はただ下半身が重くだるく,腰から上は調和していて異常がない,そして,腰から下は腫れていてそれが陰部にまでおよんで,そのために足の屈伸ができないことが有る」と同じく漢方薬の原典に記載されています.
この屈伸できないという事を“膝の痛み”と解することができます.この際の腫れは,発汗によって取れればよいのですが,発汗が十分に出来ないとむくみは取れません.そのため,最初に書いたように,関節の周囲の状況が変化して痛みを感じたり,さらに,関節に水がたまって痛みを生じると考えます.
これを治すには,漢方薬でむくみを取ってやればよいでしょう