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健康コラム

その他

漢方薬と安産について 2005.04.30

今回はお産について考えてみます。
東洋医学には「奔豚気病」というのがあります。
漢方薬の原典の傷寒雑病論に「師曰奔豚病従少腹起上衝咽喉発作欲死復還止皆驚従恐得之」という文章があります。
その意味は「奔豚病の症状は気が下腹部から起きて、上焦の方に上がって、咽に突き上げてくる。それが発作のように起こって死にそうに苦しむが、元に戻り治る。恐れ驚くことによって病を得たのが奔豚気病である。」
分かりやすく言うと恐れたり、驚いたりすることで腎が不安定になり、気が下から上に突き上げてくるのが奔豚気病である。
不安感から動悸や息切れを起こすのはまさに奔豚気病である。
自律神経失調症や不安神経症と言われている患者さんの中にこのような症状を現すことが多いのではないでしょうか?
東洋医学の考え方では腎は子宮や卵巣を支配コントロールしていると考えます。
妊娠が終わりに近づくと子宮が疲れ、その上位にいる腎も疲れてきます。
したがって、妊娠後期になると腎が不安定になり、特に強い恐れや驚きがなくても奔豚の病の状態になることがあります。
そのため、気が上に突き上げるので、赤ちゃんは影響されて上に上がっていこうとして、下になっていた頭が上になるのです。
東洋医学ではこれを逆子の原因と考えます。このような場合に使用する代表的な漢方薬で説明します.赤ちゃんがお母さんの恐怖感に影響を受けて、自分も生まれて外に出るのが怖くなり、子宮口とは反対のほうに行こうとするのが、苓桂甘棗湯の症だと思います。苓桂味甘湯のときは本当ののぼせから来る逆子だと思います。腎が不安定になり、陽気が突き上げるように上昇する。衝脈を伝わって気が上昇するので、下を向いている赤ちゃんは気に突き上げられ
て苦しくなるのではないでしょうか。そのために上を向いてしまうのではなかろうかと考えます。
このように、上昇する気を下に下げることで、逆子が治ることがあります。
さらに、気が下に下がることで、お産のときには赤ちゃんが下にスムーズに降りてきやすくなります。
私が指導した妊婦さんの中には数回深呼吸しただけで生んでしまった超安産の方もおられます。
信じられないほど楽に産みその上、お産の痛みを感じなかったというびっくりするようなケースもありました。
いずれにしましても、突き上げる気を下に下げることでお産が軽くなるという経験は豊富にあります。
お産を密かに心配しておられる妊婦さんには朗報ではないかと思います。

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