今年は梅雨が終わっても湿気が多いです。
このように湿度が高い日が続くと湿気に弱い脾、胃が弱るでしょう。
常に水で冷やされているような状態と考えられます。
そのため、自分では冷えに気をつけているにも拘らずいつの間にか冷えてしまっていることが出てくると思います。
胃が冷えると心(心臓、小腸)まで冷えることもありえます。
胃が冷えるとさらさらした唾液になり舌が濡れてきます。
食欲にもむらが出て来たりします。
新聞のニュースによると今年はビールの消費量が大幅に減少しているそうです。
東洋医学的に考えますと胃が大気中の湿気によって機能が低下して水はけも悪くなり「胃内停水」と言う状態になります。
したがって、ビールのような水分をたくさん取りたくなくなるでしょう。
冷夏のときはビールの消費量が減少するのは今までもあったことですが、今年はそれとは少し趣が異なると思います。
いくら気温が高くなっても湿気が多いとやはり水分をたくさんとる気がしなくなるでしょう。
このように胃が弱ると冷えが胃で食い止められずに心に入って動悸、息切れ、胸苦しい、胸痛、吐き気などの症状が出ます。
こんな症状が出てきたら、即刻冷たいものを控えていただきたいと思います。
心臓は東洋医学では陽中の陽の臓器ですから絶対に冷えてはいけない臓器です。
私が考えるに冷えるはずのない心臓が冷えたときに狭心症や心筋梗塞が起こるのでしょう。
実際に今年はもう既にそのような状態に陥った患者さんを何人も見つけました。
未然に防げば心配することは無いのですが、この状態を疲れているときに起こせば悪い結果を招く可能性があります。
今年だけの例外ではなく、ここ数年は毎年のように異常気象が叫ばれています。
ヨーロッパではいまだかつてない記録的な猛暑の夏が訪れているそうです。
気温が40℃を超えた国もあり、ロンドン在住の方にお聞きしたお話では毎日あまりに暑いので扇風機を買いに行ったら売り切れて買えなかったと言うお話でした。
このような時こそ毎日の生活を見直すことがこれからの私たちの健康に大きく関係することになると思います。
心臓に不安のある方は是非ご相談ください。良い漢方薬がございます。