不妊症の原因の一つとして頸管の障害があります。
大部分が頸管粘液の問題です。
普通排卵前になると下り物が増えますが、このおりものが頸管粘液のことです。
頸管粘液は排卵前の卵胞から分泌される卵胞ホルモンの作用で増え、
排卵のころ精子を数日間生かしておく働きがあります。
ホルモンの異常などで、頸管粘液が十分分泌されなかったり、
精子と頸管粘液の相性が悪いと、精子を数多く元気に生かして置けなくなり、妊娠しにくくなります。
頸管粘液に問題がある場合、西洋医学的には人工授精が効果的な治療になります。
頸管粘液に異常が認められるときの予想されることは以下のとおりです。
頸管粘液が少ない場合
a)血液中のエストロゲンが量が少ない、
b)血液中のエストロゲン量は正常だが、頸管腺上皮のエストロゲン受容体量が少ない
c) 分娩時の頸管腺損傷、及び流産、妊娠中絶後の掻爬によって頸管腺に損傷を受けた。
d) 頸管の炎症によって頸管腺上皮が変性するなどの理由によって頸管粘液は減少します。
粘りがない場合 頸管腺へのエストロゲン効果が不十分な場合です。
シダ状結晶が未成熟の場合 頸管腺へのエストロゲン効果が悪い為です。
粘液が濁っている 頸管の炎症を考えます。細菌が繁殖している可能性あり。
酸性度の異常 pHが5以下の場合は精子の通過性が悪くなります。
フーナーテストという検査はご存知ですか。
精子が頸管粘液を通過して子宮腔内に侵入できるかどうかの検査です。
これで合格しないと受精が困難でしょう。
ただし、その時の体調などの条件もあるでしょうから一度不合格になったからと諦めなくても良いと思います。
このように頸管粘液に異常のある患者さんでも東洋医学的に考えて原因を探り治していけば妊娠しておられます。
最近では毎日のようにご懐妊のご連絡があり多い日は2、3人あります。
この記事を書いた日は2人でした。