今回は情緒が肉体に与える影響についてお話をしたいと思います。
ハンス・セリエの「生命のストレス」と言う本には、
副腎の疲労や欲求不満や抑えつけた怒りなどのような情緒が
人体の科学的作用にネガティブな効果を及ぼすことを詳しく説明していました。
この本を読んで、ポジティブ(積極的)な情緒が肉体の積極的な化学反応を引き起こすのではないかと考えて、
自らの難病を克服したノーマン・カズンズの話をしたいと思います。
実は1964年8月に過労から突如重症の膠原病にかかった。
その病名は強直性脊椎炎と診断された。
その後、カズンズ氏は友人の医師に相談したら
「今までに自分の経験ではこんな全般的な症状から回復した例を見たことがない」と言われ
自分で何とかしなければと思った。
そのため、自分で少しでも状態を良くするために滑稽な映画を手始めに見たら効果てき面だった。
なんと信じられないことに十分間腹を抱えて笑うと
トラックに引かれているような関節の痛みが少なくとも2時間は痛みを感ぜずに眠れると言う効果があった。
これらの逸話からいろんな可能性が出てくるような気がします。
東洋医学では七情(喜び、思う、憂い、悲しむ、驚く、恐れる、怒る)は身体に影響を及ぼすと考えます。
東洋医学的に考えると笑いは心臓(血液循環)に影響を与えます。
つまり、笑うことは血液循環を改善し、心臓の働きを良くすると考えます。
従って、カズンズ氏の奇跡的な出来事は起こり得る事だったのでしょう。
毎日、多くの患者さん達のご相談に乗っていて私が感じるのは
なかなかこの素晴らしい効果の恩恵にはあずかれないようです。
なぜならば、病気にとらわれてしまい腹を抱えて笑うことすら出来なくなっているのではないでしょうか。
今は子供ですら腹を抱えて笑っている姿を見たことがほとんどありません。
残念ながら笑いにはこんなに素晴らしい効果があることをあまり知られていません。
ご指導している患者さん達が素直に笑えるようになると急速に治っていくように思います。
是非皆様も心のそこから笑えるゆとりを持ちましょう。 それが健康の秘訣かもしれません。
笑えなくて困っている人はご相談下さい。