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赤ちゃんと大人の腸の違い 2002.09.28

今回は赤ちゃんと大人の腸がまったく違うというお話をしたいと思います。
新生児・乳児に与えられたたんぱく質は分解・消化されず、小腸から吸収されずに大腸から外に排泄されてしまいます。
成人では、食事中のたんぱく質は胃から出るペプシン、膵臓から出るトリプシン、キモトリプシンなどのたんぱく質・ポリペプチド分解酵素の作用を受けて、アミノ酸まで分解されるか、一部は分子数の少ないポリペプチドのまま小腸粘膜上皮を通して体内に取り込まれ、血液を経て体内各所の細胞に送りこまれます。
成人の健康な腸では、アミノ酸が結合した高分子であるたんぱく質のまま、粘膜を透過することはあまりありません。

 

ところが、生まれてまもなくの新生児では胃酸もなく、タンパク質分解酵素の分泌もほとんどありません。
1ヶ月頃からしだいに分泌能が高まってきますが、成人に比べると極度に少ない分泌量です。乳児期を通じて徐々に増えてはきますが、タンパク質分解酵素が十分に分泌されるようになるのは1歳から2歳過ぎだといわれています。
体内で作ることのできるアミノ酸に対して、内部では作れず外部から取り入れる必要のあるアミノ酸を必須アミノ酸といいます。
赤ちゃんもこのようなアミノ酸を外から摂取できていなければなりません。
実は乳児は、母乳中のたんぱく質の栄養分だけは、トリプシンなどのわずかに分泌される分解酵素で容易に分解、消化され、ペプチドの形で腸管粘膜上皮から吸収されています。
しかし、牛乳などの異種動物の乳成分に含まれる異種タンパク質は、わずかな分解酵素では分解されず、それにもかかわらず新生児や乳児の腸管から吸収されてしまいます。

 

人母乳のたんぱく質はカゼイン、乳清、非タンパク態窒素の三つに大きく分かれます。
三番目の非タンパク態窒素というのは、たんぱく質そのものではなくたんぱく質が分解してできる遊離ポリペプチドやアミノ酸などで、腸管からすぐに吸収されやすく、体内で必要なたんぱく質を合成するのに最もよい形のまま母乳中に含まれ、母乳たんぱく質の中で21%とかなりの量をしめています。
カゼインは、たんぱく質ですがこれにも種類があり人母乳のカゼインは、牛乳のカゼインに比べてきめが細かくソフトカードと呼ばれ赤ちゃんの腸でも容易に分解、消化されます。
このように1歳ぐらいまでの赤ちゃんの腸は大人と異なるので、1歳以前に離乳食を始めることは問題が出ると思います。
出来るだけ母乳で育てもしも母乳が足りないときは人工乳で補うことが好ましいでしょう。

参考文献 「赤ちゃんの生命のきまり」西原克成著 言叢社発行

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